8月4日から88日間にわたり開催される〈ヨコハマトリエンナーレ2017〉。その第2回記者会見が行われ、主な内容と方針が明らかにされました。

横浜トリエンナーレは2001年から開催されており、今回が6回目。「島と星座とガラパゴス」をテーマにした本年は、国内外から約40のアーティストが参加する予定です。記者会見では、26のアーティスト(協働出品アーティスト含む)と1プロジェクト、メイン会場などが発表されました。

参加アーティストである小沢剛と宇治野宗輝も登壇。それぞれに抱負を語り、宇治野は自作の音楽装置の演奏によりバナナジュースをつくるパフォーマンスを披露しました。

小沢は、歴史上の実在の人物をモデルに、フィクションとノンフィクションを織り交ぜつくる《帰って来た》シリーズの新作を出品予定。インド・コルカタと日本(横浜)に所縁のある人物をモデルに、ペイント8枚と、コルカタの音楽家を起用したミュージックビデオを制作しているとのことです。

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宇治野は、モーターやクレート、エレキギターを接続し再構築したスカルプチャー・パフォーマンスと、作品について英語で喋るモノローグを撮影した映像作品、日本語の擬音語を模した壁面作品を出品予定。

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今回のトリエンナーレで展示される作品は、開港の地であり、国内で初めて鉄道が開通した地でもある横浜の歴史的背景を踏まえた作品や、複数のアーティストが協働し創作した作品、現代の社会問題にアプローチした作品など。従来の一アーティスト一作品の展示形式ではなく、一アーティストが複数の作品を展示する、個展の集合体のようなかたちを予定しているとのことです。

現在発表されているアーティストの顔ぶれは、アイ・ウェイウェイやクリスチャン・ヤンコフスキー、マウリツィオ・カテランら1950年代〜70年代生まれのアーティストが中心。コ・ディレクターらの「さまざまな国際展を経験してきたアーティストによる、質の高い作品を見せたい」「アーティストの数を絞ることで、一つひとつの作品を丁寧に見て思考を深めるような体験を提供したい」との意向が反映されています。

公開対話シリーズ「ヨコハマラウンド」など会期前から参加できるプログラムや、〈BankART LifeⅤ〉〈黄金町バザール2017〉などヨコハマトリエンナーレと一緒に楽しめるプログラムなども実施。横浜のまち全体で美術に触れる機会を増やすプログラムが企画されています。

ヨコハマトリエンナーレ2017 島と星座とガラパゴス

会期: 2017年8月4日〜11月5日 ※休場日:第2・4木曜日(8/10、8/24、9/14、9/28、10/12、10/26)
開場時間:10:00〜18:00(最終入場17:30)  ※10/27、28、29、11/2、3、4は20:30まで開場(最終入場20:00まで)
会場:横浜美術館、横浜赤レンガ倉庫1号館、横浜市開港記念会館 地下 
※上記の有料会場以外でも関連するアートプロジェクトを実施する予定
主催:横浜市、(公財)横浜市芸術文化振興財団、NHK、朝日新聞社、横浜トリエンナーレ組織委員会

参加アーティスト(2017年4月18日時点):
アイ・ウェイウェイ(艾未未)、ブルームバーグ&チャナリン、マウリツィオ・カテラン、ドン・ユアン(董媛)、サム・デュラント、オラファー・エリアソン、アレックス・ハートリー、畠山直哉、カールステン・ヘラー、トビアス・レーベルガー、アンリ・サラ&リクリット・ティラヴァーニャ、ジェニー・ホルツァー、クリスチャン・ヤンコフスキー、風間サチコ、ラグナル・キャルタンソン、マップオフィス、プラバヴァティ・メッパイル、小沢剛、ケイティ・パターソン、パオラ・ピヴィ、キャシー・プレンダーガスト、ロブ・プルイット、ワエル・シャウキー、シュシ・スライマン、ザ・プロペラ・グループ、宇治野宗輝、柳幸典

プロジェクト(2017年4月18日時点):
Don’t Follow the Wind

詳細は公式サイトをご確認下さい。